育ての父・光春が殺され復讐のため京に上った獅子丸は、綾姫のところに身を寄せたが、綾姫の父こそ仇・北野川公久だった。波乱白熱・剣と恋のロマン溢れる雄渾時代劇五部大作の第二作。
小林正樹が木下恵介の妹楠田芳子の脚本によって監督。松山善太が潤色し、森田俊保が撮影に当たった。出演者は佐田啓二、高峰秀子、久我美子、石浜朗、小林トシ子の他、田浦正巳、大木実、日守新一、浦辺粂子、三好・・・
現代の身動きならない社会の重圧に歪められた人間性と道徳を追究し、一人の凡庸なサラリーマンが選んだ悪徳と愉楽の世界の悲劇を描き、現代人の不安と現実の汚濁を抉り出した社会派ドラマ。